「いらっしゃいませー!」
元気な声を聞きながらコンビニに入ると見慣れた黒髪の人がレジにいた。
「冷さん、お疲れ様」
「お疲れ。
……ってその手は?」
「今日俺頑張ったし?
奢ってもらおうかなーって」
「…奢らないからな?
俺もうレジにいるし」
「あ、店員さん肉まんとあんまん2つずつ追加で!」
「おい」
「たまには良いでしょ?
ほら、今日も寒いし。
帰り道にあったかい肉まん食べたくならない?」
「……それにしても数が多いだろ。
いくつ食うんだよ」
「それはもちろん!
寮で頑張ってる2人に……あ、待って雨月たちもそろそろ帰って来るし途中で会うことを考えて……」
「……嫌な予感がする」
「やっぱり肉まんあんまんピザまん3つずつ……」
「あほ」
「?!
冷さん?!」
「そんなに買うなら半分出せよ」
「出す出す、出すけど…」
そう言いながら、ちらっと冷さんの方を見る。
「……はあ。
じゃ、流衣のだけ奢りな」
「やった!
…それにしても、やっぱりちょっと買いすぎた?」
「今更か」
「誰か手伝いに来て…はっ、良いところに!
雨月〜、冷さんが肉まん奢ってくれるって!」
「冷さんが?
食べる!」
「……こうなると思った」
「冷さんお疲れ様…ってすごい量の…肉まんとピザまん?」
「あと1つはあんまん!
みんなにも買ったけど寮に誰いるかわかる?」
「…えーっと、雪月はもうちょっとかかるって言ってて、春たちは今帰ってるところ、あ、奏はもう寮で夕ご飯準備してるって」
「……あー…」
「いやこっち見るなよ」
「証拠隠滅…」
「無理だからな」
「竜がいたらあんまんはいける!」
「大人しく怒られろ」
「冷さん肉まんいくついける?」
「2つ」
「…2つ…」
「いくつ買ったの?」
「肉まんあんまんピザまん3つずつ!」
「それなら俺ピザまん食べるから、あとは流衣が食べれば大丈夫じゃない?」
「じゃあゆっくり歩いて帰ろっか」
「賛成ー」
「はいはい」
そうして、コンビニを出たところ。
ちょうど陽たちと出会い、肉まんあんまんピザまんを分け。
…証拠隠滅は達成されたのだった。
「よくわかんないけどラッキー♪」
「良かったね、陽」
「そういえば、冷さんって何買いにきたの?」
「…アイス」
「…あいす」
「えっ溶けてない…??」
fin.
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