「あ、空!」
「天。
今日は千草と遊びに行かないの?」
「今日、千草はちょっと予定あるみたいで…って藍にぃは?」
「藍なら会議に出てるよ」
「会議、会議……あ、リーダーズ?」
「そうそう。
最近やっと竜と浅葱の仕事が落ち着いてきたから久しぶりに会議室でーって」
「久しぶりに…ってことは今までやってなかったってこと?」
「…うーん、俺も詳しくは知らないんだけど、2人の仕事が忙しすぎて会議室に行く時間が取れないからリモートでやってたみたい」
「……リモート…。
かっこいい!」
「かっこいいよねー。
…まあ、俺は作業の進捗確認も兼ねてよく浅葱や竜とやってるけど」
「リモートで進捗確認ってどんな感じ?」
「んー…例えば、俺がそろそろ終わりにしようかなって言うと2人があと5分って言い出して、そのまま朝まで……とか…」
「…すごく想像出来る」
「その後通話切らないまま寝ちゃってたから2人の部屋行って通話切ったり…」
「結局部屋に行ってるんだ?」
「そうそう。
たまーに流衣や奏が切ってくれるんだけど、仕事でいない時とか2人が寝てる時なんかに」
「……それ、もう一部屋でやった方が早くない?」
「俺も毎回そう思ってる。
…っと、結構喋っちゃってるけど天予定とかなかった?」
「俺は大丈夫!
むしろ暇だし誰も空いてないみたいだからこのまま話聞こっかなって」
「そっか。
…じゃあ、このままカフェとか行く?
ここで話してるより面白いことがあるかもしれないし」
「行く!
じゃ、準備して……」
ガチャッ
「…あ」
「出てきたね」
「…カフェ…?」
「カフェの単語で出てくる竜……」
「…いつも通り〜」
「竜も行く?
…えーっと、後ろの浅葱も」
「行く」
「ああ、俺も一緒で良ければ」
「よし、決定!
じゃあ俺用意して来るから、2人も用意して…今日はやどりぎ行こっか」
「!!!」
「あはは、竜の目が輝いてる」
「やどりぎ亭なら俺はコーヒーにするかな」
「はっ、俺もコーヒー飲めるように特訓する!」
「天は砂糖入れていいんだよ?」
「藍にぃに砂糖5つ渡されないようになんとか…!」
「それはもうカフェオレとかにしたらいいだろ」
「…確かに!
じゃあ俺今日はカフェオレ〜」
***
「歌いながら用意しに行っちゃうの、天らしいなぁ…っと。
俺も準備準備……」
***
そして、全員の準備が終わった5分後。
誰よりも早く、そしてしっかり割引券を持った竜が玄関で待っていたのだった。
「……さすが竜…」
fin.
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